
DHTがハゲの原因なら、なくてもいいんじゃない??
DHT(ジヒドロテストステロン)はAGAの原因とされています。ハゲに悩み、治療法や原因をある程度調べている人なら
「こんなもの、なくてもいいのに(泣)」
と思ってしまうことでしょう
しかし、体内に自然と存在するならば、私たちの体にとって必要不可欠なもののはず。
みなさんをハゲさせる以外に、DHTはどんな働きをするか知っていますか?
ハゲさせる以外のDHTの作用
男性らしさを作る
DHTは有名なテストステロンと同じ男性ホルモンです。
私たちの細胞内にあるAR(アンドロゲン受容体)と結合することで、ARが働きます。
DHTは、AR(アンドロゲン受容体)を動かすために必要なものです。テストステロンも同じ働きをしますが、DHTのほうが強力(50倍?)とのこと
男性ホルモンと結合したアンドロゲン受容体は、男性ホルモン作用を起こします。

男性ホルモン作用ってなんだ?
男性ホルモン作用とは、作用の仕組みをすっとばして言えば、性欲や男性機能、筋肉や太い骨といった、男性特有の見た目や機能をもたらすものです。

脱毛や薄毛もこの中に含まれるわね
性器の形成、一次性徴と二次性徴
男性生殖器(睾丸や陰茎)はDHTの作用によって作られます。特に一次性徴と二次性徴において大きな役割を果たします。
DHTがなくなると起きること
DHTがなくなれば、男性ホルモン受容体(AR)の働きが少なくなり、男性らしい機能が弱くなることが考えられます。
テストステロンも男性ホルモン受容体と結合できますが、DHTと同じ作用をするわけではありません。
DHTが少ないことによる問題には以下のものがあります。
5αリダクターゼ欠損症
5αリダクターゼが欠乏する病気が存在します。
5αリダクターゼ遺伝子に異常が発生し、テストステロンからDHTへの変換が阻害されるため、DHTが足りなくなる病気です。
DHTが足りないと性器や精巣の正常に発達しません。
新生児のころから症状がみられ、その後の一次性徴と二次性徴に影響が出ます。
ペニスが大きく育たない、もしくは極度に小さくなります。そのため、遺伝子的には男の子でも、その外見から女の子として育てられることもしばしばあります。
5αリダクターゼ欠損症では、テストステロンの分泌量は正常であることから、性機能の発達にDHTが必須であることがわかります。

性徴するときにDHTがなければ大きな問題になるのね
男性ホルモンの減少と関連のある病気
男性更年期障害(参考:https://www.maebaru-uc.com/lp2/)
性機能障害(勃起不全)
評判の良いテストステロンとの違い
DHTは男性らしい体を作る働きが強いと書きましたが、それが私たちにとって悪い方向に働くこともあります。
薄毛、脱毛への影響
ハゲに悩む皆さんならお分かりかと思いますが、DHTは毛周期を短くし、薄毛や脱毛の原因となります。
同じ男性ホルモンであるテストステロンには、この作用はないと考えられています。
前立腺肥大症、前立腺がん
性器や生殖器官と同じく、前立腺の形成にもDHTが関わっています。
DHTが作用するメカニズムは脱毛と同じ。テストステロンが代謝されDHTとなり、男性ホルモン受容体と結合したものが、前立腺細胞の増殖を促進します。
テストステロンも男性ホルモン受容体と結合することはできますが、前立腺細胞増殖を促進する効果はありません。

DHTの生産を抑えるフィナステリドは、もともと前立腺肥大症の薬として使われていたんだよね
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